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既存システムのリプレイス進め方Excelシステム化業務改善

Excelをやめてシステム化すべきか|脱Excelと続Excelを分ける判断基準

公開日 更新日 読了目安 4分執筆 湯本 堅隆(株式会社クオリティスタート)

Excelで回している業務が限界に近づき、システム化すべきか迷っている方に向けた記事です。結論から言うと、やめるべきかは業務の性質で決まります。複数の人が個別の案件をやり取りする業務はシステム化し、更新が少なく計算が複雑な経理・予算の業務は、Excelを整えて使い続けるほうが効果的です。

Excelは、なぜここまで使われているのか

業務アプリケーションとして、非常に強力だからです。Excelの強みを挙げると、次のとおりです。

  • 何百個ファイルを作っても値段が変わらない
  • 計算の仕組みが入った書類を作れる
  • シートやファイルの間でデータを連携できる
  • 上級者はVBAでプログラムを書ける
  • コピーと貼り付け、セルや行の選択など、Webの画面では実現しにくい高い操作性

操作性が高く、何個作っても値段は同じで、形式や計算を好きなように埋め込めます。その自由さが、裏目に出ることもあります。

Excelの業務がつらくなるのは、なぜか

似たようなデータがあちこちに散らばり、どれを直せばよいか分からなくなるからです。

左上にそれらしい表があり、横にスクロールすると手入力の数字が計算に混ざり、右下には用途の分からない確認用の計算がある。使っている本人も、自分が使う部分と、前からあって怖くて消せない部分を抱えている。そんな状態です。

肥大化する理由は単純で、外部のデータを参照して集計し始めるからです。別のファイルを参照する式が一度うまく動くと、似ているけれど少しずつ違う集計が次々に作られます。

脱Excelか続Excelかは、何で決めればよいのか

人が動く業務か、数字だけが動く業務かで決めます。

判断の観点 脱Excel(システム化)が向く 続Excel(整えて使い続ける)が向く
業務の性質 複数の人が、数字をもとにやり取りする 人は動かず、数字だけが動く
更新の頻度 日々、入力や更新がある 年に数回、月に1回など少ない
必要なこと 案件ごとの経緯と履歴を追う、個別に違う対応を取る 複雑な計算、按分、さまざまな形式の集計
典型的な業務 案件管理、見積管理 予算管理、経理の集計

脱Excelが必要なのは、どんな業務か

案件管理や見積管理のように、複数の人がその数字をもとにやり取りし、案件ごとに違う対応が必要な業務です。同時に編集できれば解決する、という問題ではありません。

案件の進み具合をExcelに書き出すと、誰が何をどう話したのかが分からなくなります。このような業務は、システムで案件ごとにやり取りと履歴を残し、集計は集計の機能に任せます。

続Excelでよいのは、どんな業務か

更新の頻度が少なく、個別の計算がいろいろと必要な、経理や予算管理の業務です。画面とデータベースを作り、集計のプログラムを一つずつ書くと、手間に対して得るものが少なくなります。

実際の案件では

予算管理の業務を、Excelのまま150時間から50分程度に短縮した例があります。事業部の経費予算を積み上げ、経営管理の部署が全社の予算を組む業務で、シートと数式が入り乱れ、何が起点なのか分からない状態でした。

お客様の当初の希望は、Excelをやめてシステムで予算を組むことでした。しかし、按分のロジックが科目によって多岐にわたり、十数種類の異なる集計の結果が必要でした。しかも年に1〜2回しか行わない業務です。そこで、Excelのまま整えることにしました。

集計の起点となる部分だけをVBAでデータベースのように整え、そのシートが更新されると、ほかの十数個のシートとピボットテーブルの結果が連動して変わる仕組みにしました。変更が入るたびにすべてを作り直していた業務が、ボタン一つで最新の予算を組めるようになっています。

既存の仕組みを残して、足りない部分だけを補う考え方は、Excel以外にも当てはまります。販売・在庫管理システム(3社合同)では、会計・販売の基幹に使い慣れた弥生販売を残し、弥生販売では管理できなかった先の予約注文と在庫を、補うシステムで管理できるようにしました。

まとめ

  • 脱Excelか続Excelかは、人が動く業務か、数字だけが動く業務かで決める
  • 案件ごとのやり取りと履歴が要る業務はシステム化する
  • 更新が少なく計算が複雑な業務は、Excelを整えて使い続けるほうが効果的なことがある

Excelを含めて、今の仕組みをどう置き換えるかの考え方は、「システムリプレイスの進め方」にまとめています。

よくある質問

Excelのマクロを作った担当者が辞めてしまいました。システム化すべきですか?

すぐにシステム化を決める前に、そのExcelが何をしているかを調べて文書にします。業務の性質が「続Excel」に向いていれば、整理し直して使い続けるほうが早く安く済むことがあります。

Excelの共同編集を使えば、システム化しなくても済みますか?

同時に編集できることと、案件ごとのやり取りや履歴を管理できることは別の問題です。誰が何をどう話したかを追う必要がある業務は、共同編集だけでは足りません。

システム化とExcelを組み合わせることはできますか?

できます。日々の入力や履歴の管理はシステムで行い、年に数回の集計や分析はExcelで行う、という分け方は現実的な選択肢です。

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