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生産性向上は「誰がやっても同じ品質が出せる」ことが成功の鍵


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業務改善を主たる目的の1つは、生産性の向上です。今までの非効率なやり方を見直し、時間単位あたりに生み出すことが出来る成果を増やす、もしくは品質を高める。付加価値を生むことが出来る人材には売上やサービスの向上を実現する為に尽力して欲しいと経営層が願うのは自然なこと。社内の非効率な作業に縛られていて本来の売上を生み出す業務に時間を避けることが出来ない膠着状態を脱したいというのもよくある話です。

生産性向上という言葉もイメージが先行しており、色んな方で認識がばらつきやすい言葉です。個人における生産性向上であれば、単純に作業時間を減らすとか、集中できる環境を作る等が有効でしょう。これが組織における生産性向上となると間違ったアプローチが散見されます。

生産性向上≠カツカツで回す

最も良くない例が、人が退職等で辞めてしまっているのに引き継ぎだけが増えて仕事量のみが増えている場合です。これを生産性向上と呼ぶ方はいないと思いますが、「少ない人数で回す=一人あたりの生産性が高まる」ではありません。以前よりも多くの仕事を少ない人数でこなしているのに利益が増えていないとしたら、生産性が悪化しています。 単純に背負っている荷物を増やすことが生産性向上になるわけではありません。カツカツになればなるほど仕事の品質は落ちていくので、ジリ貧になります。

ジリ貧になってしまうと、現状維持で手一杯になります。新しい施策を打ち出す余裕が現場にないからです。誰が自分の仕事を変わってくれるのかと言いたくもなります。いくらトップが旗を振っても、徒労に終わります。

生産性=Less is More

生産性が上がるというのは「より少ない労力で、より多くの成果を出す」ことで達成されます。仕事を増やすのではなく、減らさなければなりません。人を減らして仕事が増えるのは、生産性向上から真逆の行いです。やることを減らす=売上が下がるというよくわからない恐怖心を持っている経営者の方がいらっしゃいますが、働ける時間やこなせるボリュームには限界があります。作業に余裕が無くなると、どんどん自分の縄張り意識が強くなります。そんな現場に、愛着はもてと言っても無理があります。

作業を減らして同等の生産性を出すためには、仕事の進め方、分担の範囲、コミュニケーションの取り方を変える必要があります。

共有する情報を減らす

最も簡単なやり方は、確認作業を減らすことです。他人の作業を管理するコトに追われてしまうと、絶対に生産性は向上しません。情報共有の重要性は誰もが認識することですがノイズばっかり増えても意味がありません。以外と、どうでもいい情報に振り回されて時間を費やしている現場は多いものです。

生産性を上げるためには、やることを減らす試みが必要です。必要のない情報は共有しない、生み出さない。情報を共有してしまうと、付帯作業がどうしても増えていきます。「この作業だけ行えば後は良い」「ここだけ確認すれば良い」という状況を作り出せるかどうかが、肝になります。それがないということは、仕事のやり方が個人に依拠しており大変な負担がかかっていることを意味します。

誰がやっても同じ品質が出来る仕組みを作る

ITを活用するか方法はありませんが、個人の能力に依拠するような成果に頼っているようでは、その人の存在がキーでもありボトルネックになります。諸刃の剣です。ITが得意な所は、ITにやらせましょう。その時にExcelではダメです。Excelは自由すぎますので、人によってやり方が異なります。誰がやっても同じ品質になる作業を増やす為には、ITシステムの構築が必要になります。ITシステムでどんな作業を吸収すれば、自分の手から離せる仕事が増えるだろうと考えると、良い検討ができるでしょう。

ITで日々の業務・オペレーションを改善しよう

ITで業務プロセスを改善する効果が最もわかりやすいのは、何かの集計業務です。発注しなければならない商品の集計、注文残の集計、人員の作業管理の集計など、人的な手間が入りやすい「集計業務」をITで行うと、価値があるなと感じて頂けるはずです。MAX100万円までのご予算があれば、いろんな選択肢を選ぶことが出来ます。

そこから先の投資をすべきかどうかは、これからの話です。違う箇所に100万投資されるのか、次の課題が見つかるまで現状を注視するのか、一気にIT投資を拡大するのかは、御社がどこまでをITに賭けるのかによって異なります。

中小企業に足りないものは、IT投資の成功体験です。100万円の投資に成功するだけでも、同業他社には模倣が困難な業務のあり方になる可能性を秘めています。商品やサービスを真似ることは簡単ですが、やり方やノウハウを真似ることは非常に困難です。

ITシステムに投資する意味を見いだすために

当社は「ITシステムに投資する意味」をお客様と一緒になって考えることが責務です。あまり大上段に構えると地に足がつかないIT導入になってしまうので、まずは目の前の作業を効率化して皆が喜ぶことから検討を開始するのが良いと考えています。

その際に1つだけ、ポイントがあります。導入すべきITは、御社で最もITリテラシーの高いレベルのユーザーを支援する前提で考えることです。 「みんなが同じように使えないと意味がない」を裏返すと、「ITリテラシーの低いユーザーに合わせてら何も変わらない」です。ITシステム導入で目指すべきなのは、「ITリテラシーの高い方の考えた仕組みで、付加価値を産んでいる業務をサポートする」ことです。それが生産性向上に寄与します。

生産性向上を謳って現場が疲弊しては本末転倒です。本記事が少しでも参考になれば幸いです。


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執筆者について

著者

(株) クオリティスタート 代表取締役

湯本堅隆(YUMOTO Michitaka)

略歴

1979年生まれ。ISPの電話サポートのアルバイトをきっかけにIT技術に興味を持ち、2003年にアイ・ティ・フロンティア(現タタ・コンサルタンシー・サービシズ)に新卒で入社。

SIer在籍期間からブログ「GoTheDistance」でSIerを巡るIT業界のあり方・エンジニアのキャリアについて記事を書き、累計はてなブックマーク数40,000を超えるブログになりました。

「ITを使いこなしたいなら、ユーザー企業は内製すべき」と主張しているうちに、2009年から雑貨卸の有限会社 エフ・ケーコーポレーションで内製化を1人で担当するはめに。メーカー送料ロットのない雑貨卸というビジネスモデルをITシステムを実装することで確立し、経済産業省が主催するIT経営実践認定企業に選ばれました。

「システムを作る人材や会社」はあっても「何が正しいITシステムなのか」を事業会社の立場で考え、デザインできる人材が枯渇している。

この課題を解決したいという思いから、会社を創業しました。

重度の野球好きで、東京ヤクルトスワローズのファンです。



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