フルリモートの是非はよく話題に上がります。個人にとしてはメリットが大きいが、組織としてはデメリットが無視できない、そんなところかなと思います。

リモートワークの解像度を上げるには、組織としてはどんなデメリットが無視できないのかを明確にするところから、でしょう。集まったほうが右向け右で都合が良いでは、感覚的すぎます。

デメリットにはおそらく、生産性の低下、コミュニケーションの希薄化、情報セキュリティの担保などが挙げられていると思います。本丸ではない気がしていて。本当のところは、自律的なワークスタイルを確立する難易度が高い、だと思います。

リモートワークが機能しない単純な理由

眼の前に作業している様子が見えないということで、自分の作業が正しいか、その進捗を正確に報告するには、「先読み」が必要不可欠です。先読みというのは、タスクの成果物から逆算して、今の現在地がどこか、どれだけの工程を経て積み上げていけば完了できるか。それが見えていること。

相手からすると、「このヒトは、10を言わなくても2を言えば把握してくれる」「目的が見えているから、細かい指示を出す必要がない、成果物も期待通り」となります。

でも、それを自分以外誰もいない状況でできるようになるのは、ほぼ不可能だと思う。上長(リーダー)層の管理コストが極めて高くなってしまう。だから、リモートワークが機能しない。

だって、ほとんど言語化されていないから、上記のような先読みをするためのコツや情報も。どういう文脈で言ってるかも、自分の中引き出しがなければ、拾えないでしょう。だから、そういった背後に隠されたコンテキストを拾う必要がたくさんあるので、出社が合理的になると考えています。

オレがキャディになる

フルリモートで成果を出すには、誰かがキャディになるのが一番手っ取り早いと考えました。ゴルファーのスキルを正確に把握し、あなたのスキルでこのコースを攻略するには、このクラブを持って、この打ち方で、ここを狙え。それを的確にしてあげる。成功体験を積ませる。

僕はこれがマネジメントだと思っていて、それに関心がない、そういうミッションを持てないマネージャーは要らない。マネジメントという職責を与えません。必ず組織を弱くするから。本来パフォーマンスを出せるひとを、無自覚に潰すから。

キャディ業を行うのは、リーダーにものすごいコストがかかるし、給料も変わらないのにこんなことやらされるのかよというインセンティブの問題も大きい。また、社員が根付かず外注だらけの組織の場合、残念ながらどうしようもない。外注にキャディ業をやる意味も薄い上、押し付けたほうが社員は楽だから、何もしなくなる。

でも、幸か不幸か、僕は会社の代表。僕がキャディになれば、会社が強くなります。限界はありますけどね、同時にカバーできるのは、多分一桁までだと思っています。

フルリモートは毎日がプロジェクトマネジメントです。黙っていれば、どんどん遅れていきます。自分でコースマネジメントできるならいいけど、まずは、キャディが必要。

マネージャーは、キャディたれ!