当社は、いろんな立場でITプロジェクトに参画してきました。
・受託開発を請けた開発会社として
・プロジェクト支援依頼を請けたコンサルタント・PMOとして
・事業会社のプロジェクト運営側として
私が上記の3つの立場を経験した中では、エンジニアがITプロジェクトの失敗を引き起こすケースはありませんでした。
システムニーズを整理しきれていない、どういう整理をすればITプロジェクトを推進できるかわからない状況に陥ったクライアントの準備不足が主因であるケースが、どの立場でも感じられました。
特に事業会社の立場になってみて改めて衝撃を受けたのが、プログラムを作ってもらう時の頼み方がわからないケースが圧倒的に多いことでした。ITが本業でないですから誰もエンジニアがいないのが当たり前で、頼まれてプログラムを作ったことが当然ありませんから、そりゃそうか・・・と。
「その伝え方では何がしたいかわからん」とか「こんなのが欲しいっていうけど、言うほど使わないだろ」とか「そこを変更するにはこっちも変更せなあかんので、こういうのじゃだめ?」等の議論を重ねていく中で、システムの作りのイメージが湧いてきて、社内のIT企画力が上がってきて「こんなことできないの?」というアイデアが出てくるようになるまで、とにかく専門用語を使わずに、システムの中に流れるデータをどうしたいのだという点を詰めていきました。
その経験から、IT企画力はエンジニアが適切な情報を提供すれば上がっていくものなのだと感じました。これは出来る・これは難しいがこれならやれるという情報を上げてコミュニケーションを取ると、ビジネス側に判断基準が出来るようになりました。
そういう現場が増えればITプロジェクトの失敗も少なからず減っていくのではなかろうか・・・という思いから、IT企画を行うITプランナーの必要性を感じ、ITプランナーによる事業を運営に必要なIT・業務システムをデザインするサービスを展開しています。
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プロダクト開発を行うにあたって有名な参考図書に「Inspired: 顧客の心を捉える製品の創り方」という本があります。その中にある一節です。
覚えておいてほしい。価値のある、使いやすい、実現可能な製品として作られるべき何かをプロダクトマネージャーから与えられなければ、どんなにエンジニアリング部門が優秀でも意味はない、ということに。