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中村悠平捕手がピンチの局面で強打者相手にインサイド勝負の博打に出るのはなぜなのか


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一部のスワローズファンの間では揶揄されている、中村悠平捕手の「強打者のインサイドへの特攻リード」が今日もまた裏目に出てしまいました。

同じような攻めで、同じように3ランを浴びる

ロペスにインハイ要求がど真ん中へ

ソトにインハイ要求がど真ん中へ


ここではインローになってますが、映像で見たらど真ん中の低めに来ていました。

インサイドを見せるだけのつもりで大火傷は、捕手の責任です

ここにはありませんが、私は東京ドームの巨人戦で、坂本勇人選手に対してインハイストレートを要求して近藤一樹投手が被弾してしまったことも、しっかりと覚えておりますぞ。ベースボール居酒屋リリーズで、巨人ファンの皆さんの前で肩身が狭かったので(笑)

なんでかわかりませんが、中村悠平捕手はピンチの場面(特にランナーが2人出ている時など)になるほど、どの投手に対してもインハイストレートを続けていこうとする傾向があります。確かに、インハイストレートをビシッと投げきれるようであれば、なかなか打たれません。でも、インハイストレートが投げ損じになってしまった場合、かなりの確率で真ん中付近に集まってしまいます。それでHRを中継ぎが浴びてしまうという試合は、ひとつやふたつではないんですね。恐らく5〜6試合はあります。

横浜DeNAベイスターズのロペス選手は典型的なハイボールヒッターで、高めはめっぽう強いです。弱点はインサイドとアウトローの変化球ですが、どっちを初球に投げるべきなのか、結構明白だと思うのですが。打たれても単打で済ますという発想にならない理由はちょっとわからないです。初回なのに。

インサイドを意識させる難しさ

インサイドが有効を使うには、ざっと考えてもこれだけのパターンがあります。

  1. インサイドを中心に攻めて、意識させる
  2. アウトサイドを中心に攻めて、そろそろかなと意識させる
  3. 変化球を中心に攻めて、インサイドの速い球で攻める

この中で一番危ないのが、1番の「インサイドを中心に攻めて意識させる」です。中村悠平捕手はこの難しい橋を何故か渡りたがります。

特に初球のインサイドは非常に難しいですし、引っかかったストレートは棒球でしか無いです。広島の中崎投手のように、右打者にインサイドのツーシームを何球も続けられる精度があれば、話は別ですけど。

ソト選手との対決を例に、2球目以降を考えていきましょう。初球のインサイドのツーシームは見せ球ですよね。2球目以降は以下のような組み立ても出来たと思います。

2球目は外のスライダーを要求してからの基本的な組み立て

0−2になった場合

  1. 3球目は高めのボール球のまっすぐを要求します。ソト選手なら手を出してくれそう。ストレート空振りしてくれたらベスト。1−2になります。
  2. 4球目は外へフォークを要求します。釣り球です。引っ掛けたり空振りしてくれたらそこで終わり。
  3. 2-2になった場合は悩ましいですね。フォークで行きたいですが、4球目のフォークが良いコースなのにあっさり見逃された時、すごくフォーク系が投げづらくなります。インサイドのツーシームか、外の変化球の2択です。高めに行けば良いよという気持ちで、インサイド寄りのツーシームを要求すると思います。ソトは肘を畳んで打つようなことはしませんから。ワンバンになったなら、もう1回フォークです。
  4. 3−2になったら、向こうも振ってくる可能性が極めて高いので、外の変化球(スライダーかフォーク)を要求します。四球でもいいです。2死ですからね。

1−1になった場合

  1. 2球目のスライダーがクソボールになったのか、際どいボールだけと振らなかったのか、インサイドに抜けて手が出なかったなどによって、話は異なります。クソボール以外であれば、3球目は外にカーブを要求します。まず頭にないボールのはずです。高さよりもコース、外寄りであれば何でも良いです。クソボールなら、もう1球スライダーを要求すると思います。
  2. 4球目は外へフォークを要求します。変化球を右に流すなんてことはしない打者ですから。これが本命です。2−2にもっていけたらベスト。
  3. 2−2になったら、内でも外でもどっちでもありです。フォークならまず振ってくれると思うので、フォークを続けると思います。
  4. 3-1になった場合はしょうがないですね。外の真っ直ぐかカットボールです。インサイド特攻で投げ損じて死んでしまうことが一番意味がないので。
  5. 3−2になったら、向こうも振ってくる可能性が極めて高いので、外の変化球(スライダーかフォーク)を要求します。四球でもいいです。2死1,2塁ですから。

ここに書いてあることはタラレバに過ぎない側面もあります。例えば、こういった状況を加味することで渡るべき橋も異なります。

  1. 2球目のスライダーに対してタイミングが合っていた場合
  2. フォークがワンバンして全然ストライクになりそうもない場合
  3. ベースの上を通るボールになる変化球をあっさり見逃された場合

ソト選手は積極的にバットを出す、どちらかといえば早打ちの打者です。そういう打者に出会い頭でガツンと行かれてしまうのは、悔いが残ります。カラシティー投手でも大下投手でも同じ裏目を引いてしまったわけですから、野口バッテリーコーチにキッツイお灸をすえられて、明日からの試合に生かしてほしいです。

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■自分勝手なリード

中村に聞いた。

「今までは自分勝手なリードをしていたところがあった。野口コーチとよく話し合って、そこを修正しました」

その野口バッテリーコーチが話を引き取る。

ちゃんと投手のことを考えてサインを出しているのか、と。例えば、外のスライダーを出してストライクを取った後、インコースを見せてそれが甘く入って打たれたりする。『それって投手が投げきれる球だったのか』と聞くと『うーん』という(返事)。それなら、調子の良いスライダーで押した方がいいんじゃないの、と。データは大切ですよ。大切だけど、データと自分の考えとセオリーがこれまでは融合していなかった。中村とは、そういうことを何度も話し合い、遠征中に部屋へ呼んだこともあった。宮本ヘッドも粘り強く言ってくれていた。そうやって積み重ねてきたことを出せるようになったのが、ちょうど交流戦あたりですね」

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頼みますから、自分の都合でボールを要求しないでくださいね。局面によって、打者によって、投手によって、最適なボールを理由づけて考えて要求してほしいです。


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執筆者について

著者

(株) クオリティスタート 代表取締役

湯本堅隆(YUMOTO Michitaka)

略歴

1979年生まれ。ISPの電話サポートのアルバイトをきっかけにIT技術に興味を持ち、2003年にアイ・ティ・フロンティア(現タタ・コンサルタンシー・サービシズ)に新卒で入社。

SIer在籍期間からブログ「GoTheDistance」でSIerを巡るIT業界のあり方・エンジニアのキャリアについて記事を書き、累計はてなブックマーク数40,000を超えるブログになりました。

「ITを使いこなしたいなら、ユーザー企業は内製すべき」と主張しているうちに、2009年から雑貨卸の有限会社 エフ・ケーコーポレーションで内製化を1人で担当するはめに。メーカー送料ロットのない雑貨卸というビジネスモデルをITシステムを実装することで確立し、経済産業省が主催するIT経営実践認定企業に選ばれました。

「システムを作る人材や会社」はあっても「何が正しいITシステムなのか」を事業会社の立場で考え、デザインできる人材が枯渇している。

この課題を解決したいという思いから、会社を創業しました。

重度の野球好きで、東京ヤクルトスワローズのファンです。


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