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広島の中崎投手の「強心臓」はもっと評価されるべき


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上原も誤算だったが9回に2点を返しなおも1死満塁でゲレーロ、マギーで1点も返せない打線も問題。

巨人、9回の猛追実らずセ最速10敗目 上原また背信3失点 広島は菊池連発

こちらのヤフーニュースのコメント欄に、「それは違うだろ」というコメントがトップに来ていたので説明したいと思います。上原投手で3点取られたのが今日のゲームの分岐点だったので、そこは置いといて。彼が無失点で抑えていたらゲームの流れは変わっていたと思います。

この記事で何を言いたいかと言うのは、決してゲレーロ選手、マギー選手のパフォーマンスが悪いというわけではなく、然るべきコースに然るべきボールを投げ続けた広島の中崎投手が素晴らしかった、という点です。

坂本勇人選手の、技アリの軽打

1死満塁で、9回で3点差。グランドスラムならお釣り無しでサヨナラ勝ちという局面です。

そんなドラマはそうそう起こりませんが、坂本選手がホームランを打てるとすればインコースの真っ直ぐが甘くなった場合と、スライダーがベルト付近に浮いた場合です。この局面は外一辺倒でとにかく外野の頭を超えないような打球を打たせる。低めに投げてあわよくば引っ掛けろ、最悪でもシングルに収めたい局面です。

バッテリーは一発だけは打たれてはいけない局面ですが、外角低めに速いボールを投げて早目に追い込んで、最後は外のボールになるスライダーに手を出させて三振かゴロを打たせたいと考えます。

当然ですが、そうやって攻めてくるだろうと坂本勇人選手は頭に入っているわけですね。で、3球目の外の低めの真っ直ぐを「狙いすましたように、ファーストの頭を越すような軽打」で2点タイムリー。狙っていたのか体が反応したのかわかりませんが、円熟味のあるナイスバッティングでした。

ゲレーロ選手のバットをへし折る、勇気ある1球

1死満塁、外野フライでも同点という局面で、バッターはゲレーロ選手です。ゲレーロ選手も、これだけの押せ押せムードの中で外野フライでも良いなんて1mmも思っていないでしょう。オレが決めると意気揚々と打席に入ります。ゲレーロ選手は、どちらかと言えばローボールヒッターです。低めをさばくのは上手く、外角低めのスライダーでも少し甘く入ったら持っていきます。高めのボールは大抵ファウルになります。

中崎投手としては、詰まらせたいわけです。外野フライでも同点になるので。そうなると、彼の持ち球で勝負球になるのは、インコースのツーシームです。胸元をグイグイ攻めていくしかない。

なので、初球からインコースのツーシームで攻めていきました。それをゲレーロ選手は打ってファウル。気持ち真ん中に入りましたが、あの高さに投げていればファウルになることをバッテリーは確認します。2球目は様子見の外の真っ直ぐ、3球目はアウトコースのスライダーです。ゲレーロ選手も来るとわかっていたので打ちに行きますがボールと見て見送った所、ストライクが入りました。

1-2というカウントは、圧倒的に変化球カウントです。バカ正直にストレートで攻めることはしません。ストライクが要らないカウントですから。ボールになる変化球を振ってくれようものなら儲けもの。というわけで、外のスライダーを要求。外れてボールになりました。

この4球を見てわかるように、全く甘い所に入っていないんですね。投げミスが無い。

勝負球に選ぶのは、2つしかありません。外のスライダーか、インコースのツーシームです。一発のある打者にインコースのツーシームを行くのは勇気が必要です。甘く入ったら長打を浴びる可能性が高まります。

インコースでツーシームを行くなら、絶対に投げミスが許されません。

バッテリーは勇気を持って、インコースのツーシームを選択しました。高さもコースも最高の所に決まり、ゲレーロ選手はバットをへし折られてピッチャーゴロに倒れました。1死満塁で打たれたら終わりという局面で、インサイドのツーシームで勝負に行けるメンタルの強さ。投げミスをしなかったことに、驚嘆しました。

マギー選手は、ツーシームを捨てきれなかった
ゲレーロ選手のバットをへし折ったことは、当然マギー選手にもインプットされます。インサイドにツーシームが来ると。来るとわかっています。初球からインサイドをマークしている相手に対して、中崎投手もインサイドのツーシームから入ります。これも良い所に決まりファウルになりました。また、3球目にもインサイドのツーシームを行くのですが、内角低めの良いところに決まっています。明らかなボールではなく、限りなくストライクに近い良いコースに2球投げているので、バッターは対応しなくてはなりません。明らかなボールが続けば、外スラ一本で勝負に出れるでしょうが、そうは問屋が卸しません。

4球目のスライダーも良いところ決まり追い込みました。投げミス、ゼロです。5球目に選んだのは、外の真っ直ぐです。見逃し三振を狙いにいったんだと思います。インサイドのツーシームをケアしているわけですから、外の速いボールへの対応は絶対に遅くなります。映像で見ればわかりますが、ファウルにした時も体はインサイドに開き気味でバットが遅れて出てきています。

こうなれば、6球目も外の低めの真っ直ぐが良いと思いました。マギー選手、どっちかといえば変化球を打つのが強いイメージが合って、ストレートで押し切られると弱いと考えていたからです。外のスライダーを要求し、マギー選手も食らいつきますが当てるのが精一杯。踏み込んでしっかり打ったわけではないですので、ファーストの頭を越すようなバッティングは出来ず、ファーストライナーで勝負あり、でした。

この1死満塁の攻防で見事だったのは、坂本勇人選手に外一辺倒でタイムリーを打たれてから攻め方を変えて、インサイドのツーシーム主体の投球内容にギアを入れ替え、投げミスが一切なかった中崎投手です。最も三振を求められるクローザーなのにフォーク系のボールがない中で、クローザー適性があるとすれば、あの強心臓ではないでしょうか。

ゲレーロ選手のバットをへし折った中崎投手のインサイドのツーシームは、ジャイアンツの逆転の芽をもへし折ったということでした。


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執筆者について

著者

(株) クオリティスタート 代表取締役

湯本堅隆(YUMOTO Michitaka)

略歴

1979年生まれ。ISPの電話サポートのアルバイトをきっかけにIT技術に興味を持ち、2003年にアイ・ティ・フロンティア(現タタ・コンサルタンシー・サービシズ)に新卒で入社。

SIer在籍期間からブログ「GoTheDistance」でSIerを巡るIT業界のあり方・エンジニアのキャリアについて記事を書き、累計はてなブックマーク数40,000を超えるブログになりました。

「ITを使いこなしたいなら、ユーザー企業は内製すべき」と主張しているうちに、2009年から雑貨卸の有限会社 エフ・ケーコーポレーションで内製化を1人で担当するはめに。メーカー送料ロットのない雑貨卸というビジネスモデルをITシステムを実装することで確立し、経済産業省が主催するIT経営実践認定企業に選ばれました。

「システムを作る人材や会社」はあっても「何が正しいITシステムなのか」を事業会社の立場で考え、デザインできる人材が枯渇している。

この課題を解決したいという思いから、会社を創業しました。

重度の野球好きで、東京ヤクルトスワローズのファンです。


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