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システム内製化が声高に叫ばれた背景

システムを内製するとは、その名の通り自社で業務システムやアプリなどを作って、社内業務を改善したり、時にはサービスとしてお客様に提供して売上を作ることを指します。

元々は、大企業の技術の空洞化に端を発した問題です。大企業向けの業務システムの開発といえば、ITベンダーを呼んで、やりたい業務内容を伝えて、設計・開発・運用をやってもらう。その結果、ITベンダーにシステムの改修・運用ノウハウを握られてしまい、ユーザー企業では何もできなくなってしまう「ロックイン」が発生することに対するアンチテーゼとして叫ばれるようになりました。

ビジネス環境の変化があまりない領域(年に1〜2回改修する)であれば、ロックインなんてさほど問題になりません。しかし、売上を作っていくサービスをソフトウェアで提供する場合、山あり谷ありが当たり前で軌道修正を機敏にすることが求められます。どんな機能が必要で、どんなUI/UXが最適なのか、それらをさぐりつつ、継続的にプログラムに手を入れながらサービスレベルを上げる必要があります。

そのため、外注先に依存してしまう=自社のビジネスの運営を依存してしまう、という危機感から、自社でエンジニアを雇用して内製を進める必要がある、という論調が強くなりました。SaaSやクラウドの時代になって、エンジニアの人件費を除けばソフトウェアの開発コストが非常に安価なのも事実ですので、できるエンジニアがいればコストも下げて売上もあがる。ITベンダーの見積と自社の人件費等を天秤にかければ、どっちが安いかは明白です。

中小企業にとってシステム内製は現実的なのか

ツールやサービスの進化で、ここ数年でエンジニアのいない中小企業にとっても、システム内製化は現実的になったと感じています。業務システムを内製するためのサービス群がこの5年〜10年で進化しており、全社的なシステムは難しいにせよ、多くの業務を回せる仕組みが作れるようになりました。

簡単に言うと、実装にかかる時間が減りました。実装というのは、プログラミングを行うことを指します。こんな感じのプログラムをひたすら書き続けるものだと思ってください。

ずぶの素人がこのコードを書けるようになるまで、結構な時間がかかります。上記のコードはYahoo!JapanのWebサイトにアクセスして、返答されたデータを全部読み込むというシンプルなものですが、何がシンプルなのかわからないですよね。

システム開発で一番時間がかかるのが、この実装です。見ての通りで、1つ1つ手作業でパチパチとプログラムを書いていきます。例えるなら、機織りのようなものです。力任せにやれば良いものでもなく、流れ作業で進められるものでもなく、1つ1つ丁寧に進めていく必要がある性質の作業です。

プログラミングの進化は、自動化への進化とも言えます。Webアプリケーションの時代になって色んなプログラミング言語が勃興すると、「Webアプリそのものを簡単に作る仕組み」が色々出てきました。その延長線上で「ユーザーが画面を設計すると、アプリケーションとなって動かせる。実装不要で。」という仕組みがでて、それがSaaSであったりPaaSであったり、そんな呼称がついています。

DXを推進する意味でも、品質を担保する意味でも、実装不要は正義です。どんどん実装不要な技術を使って、ツールやサービスを組み合わせて色んな業務課題をプログラムで解決するべきです。

ただ、気をつけるべき点が1つだけあります。システムのメンテナンスコストへのご理解です。

メンテナンスを独りでやらせてはいけない

内製を進める中で絶対にNGなのが、メンテナンスする人が社内で1人ぼっちになること、です。

ソフトウェアは機能を拡張しようがしまいが、動作環境と開発環境は時代とともに変わるので、必ず手を入れてシステムをメンテナンスするための技術をキープする必要があります。そうしないと、誰も手がつけられなくなってしまいます。

システムを内製によるリスクは、メンテナンス担当者不在に集約されます。従業員の退職によりメンテナンスができなくなったり、システム会社さんとの取引がなくなったなどで、メンテナンス体制が崩壊するのが一番のリスク。手を入れなくても動かすことは出来ますが、トラブル発生時には誰も助けてくれなくなります。

ひとりぼっち体制になって内製したシステムを継続的にメンテナンスできているケースを、私は知りません。IT企業でない会社にとって、システムに手を入れる技術のある人は自分以外誰も自分の仕事の意味を知らない状態になりやすく、孤独になります。理解を得ることが難しい中でその会社に居続ける辛さは、想像に難くないでしょう。

システムのメンテナンスコストは実装したコードのボリュームに、原則として比例します。そのため、システムを内製する場合は何かしらのツールの活用を強くおすすめしています。間違ってもゼロベースでプラグラムを書くことはしないでください。

システム内製に挑戦するみなさんへ

内製のメリットは、ノウハウの蓄積によって「知恵」が出るようになることです。その結果、速く確実に業務課題が解決され、よそが真似仕様もできない会社の仕組みを作ることが出来ます。商品やサービスは模倣ができますが、会社の内部の仕組みを真似するのは困難です。就業環境を改善すると、当たり前ですが働きやすくなります。今の御時世、働きやすさは大きな差別化、特に人を採用する時の要因になるはずです。

業務システムは今の時代、すごく速く安く調達できるようになっています。ただ、それにはノウハウが必要です。業務課題を洗い出し解決策の方向性を見出し、どんな機能を持っているシステムが必要かを決めて、作ったり作ってもらったりしながら、様々な課題を解決をする必要があります。

業務課題をプログラムで解決するノウハウは、プログラムを作るノウハウと同じではありません。内製に挑戦する皆さんがまず身につけるべきは、業務課題をプログラムで解決するノウハウです。そのノウハウは、以下のページにごっつい書いてありますので、お時間があるときに読んでみてください。

DXは地味な作業の集合体で実現されます。

業務改善コンサルティングメニューのご案内

90分限定カウンセリング
30,000円
(税抜)

ただただ自社の相談だけを専門家にぶつけて情報を収集したい、課題を整理したいお客様へのサービスです。Zoomでお話を伺いながら、私どもがリアルタイムで議事メモを用意し、数日後に納品して終了となります。

議題が特になければ、私どもがいつも使うヒアリング項目を元に深堀りします。社内の予算取りの一助に使って頂いたケースもあります。まずはお話を伺わせてください。

お申込み後、日程調整のメールを送ります。
90分限定カウンセリングのお問い合わせ
業務改善コンサル(顧問)
100,000円 / 月
月額定額です。税抜です。

顧問(アドバイザリー型)のコンサルティングです。定例の打ち合わせ、メール・電話などでの質問によるアドバイスを組み合わせた顧問契約です。ある程度、自社でIT活用が進んでおり業務改善を自立的に推進できる体制が整っている企業が、業績改善やIT運用サポートを得るためにお使い頂けます。

お申込み後、日程調整のメールを送ります。
業務改善コンサル(顧問)のお問い合わせ
業務改善コンサルティング
600,000円〜
すいません、価格にブレがあります

当社に業務改善コンサルティングを依頼頂き、業務分析〜業務課題抽出〜構想立案〜IT導入支援までを一式でご依頼頂く場合です。業務を変えて根付かせるためのIT導入を支援致します。IT導入は別の会社にお願いされるケースでも全然OKです。その会社さんから最高の支援を頂ける等尽力します。

このご依頼の場合、価格にブレが生まれやすくなります。理由はIT導入の支援の幅にあります。成し遂げたい成果を得るために、入れるべきツールが違うことがまずあります。また、ツールを導入するだけでなくデータを入れて業務にあった設計を行う必要があったり、カスタマイズによってプログラムを追加する必要があるなど、アナログな作業の振れ幅があるためです。

適宜その都度の予算感は申し伝えますので、調整しながら進めていただいています。

お申込み後、日程調整のメールを送ります。
業務改善コンサルティングのお問い合わせ